プチスタはビンテージの501を参考にしているのだろうか?旧ドゥニームのXXと66をプチスタと比較してみた。

2013-05-03

プチスタはビンテージの501を参考にしているのだろうか。

プチスタはレプリカジーンズではなく、デザイナーズジーンズと認識しています。その上でプチスタと501ヴィンテージとの類似点を探してみます。


いきなりですが、apcジーンズのデザインコンセプトの一部を引用。

1989年にA.P.C.のデザイナーのジャン・トゥイトゥは、今世紀初頭のアメリカ開拓者に愛用されたデニムジーンズを再現したいと考えました。

ここまで引用。


”今世紀初頭のアメリカ開拓者に愛用されたデニムジーンズを再現したい”との事ですが、apcのジーンズのディティールは、どうみても1960年以降のデニムジーンズの物です。


開拓者が愛用していたデニムジーンズに厳密に近づけるというのであれば、隠しリベットやバックシンチ、サスペンダーボタン等が必須のはずですが、apcのデニムにはそれらはありません。


コンセプトとしては、今世紀中頃にファッションとして定着した頃のデニムジーンズを再現したいと考えました、という方が適切だと思います。


現在、リジッドから穿いているPSと、所有しているdenimeのxxと66の各箇所を比較します。
ヴィンテージの501があればよかったのですが、あいにくXXを所有したことはなく、BIGEは手放しました。各年代の501に忠実な作りのdenimeの以下の二本と、プチスタのディティールを比べます。



今回PSと比較するdenime66モデル。60年代の501がモデル。
今回PSと比較するdenime66モデル。60年代の501がモデル。


denime XXモデル。40年代から50年代までの501がモデル。
オフセットがポイント。
 denime XXモデル。40年代から50年代までの501がモデル。
オフセットがポイント。


この二本とプチスタンダードのディティールを比較します。


PSのウエストボタンはドーム状(フラットボタンもあり)で、501のそれとは明らかに違います。
PSのウエストボタンはドーム状(フラットボタンもあり)で、501のそれとは明らかに違います。



PSはバックポケット裏シングルステッチXXも66も同様なので、画像は割愛。
PSはバックポケット裏シングルステッチ
XXも66も同様なので、画像は割愛。



PSのリベットはアルミ。生地が劣化してもリベットはキラキラしている。
PSのリベットはアルミ。生地が劣化してもリベットはキラキラしている。


66のリベット。
66のリベット。



XXのリベット。打ち抜き。
XXのリベット。打ち抜き。



PSはセンターベルトループオフセット無し、ふくらみもなし。
66はオフセット無し、XXはオフセットあり。画像は上に。
PSはセンターベルトループオフセット無し、ふくらみもなし。
66はオフセット無し、XXはオフセットあり。画像は上に。



PSは隠しリベット無し、カンヌキ。
PSは隠しリベット無し、カンヌキ。



66はくろかんぬき。
66はくろかんぬき。




XXは隠しリベット。
XXは隠しリベット。



PSの股のステッチはどの年代の501にも似ていない。
カンヌキらしきものがあるからビッグEにちかい。
PSの股のステッチはどの年代の501にも似ていない。
カンヌキらしきものがあるからビッグEにちかい。




66は股間にカンヌキ。
66は股間にカンヌキ。



XXはカンヌキなし 見分けるポイントの一つ。
XXはカンヌキなし 見分けるポイントの一つ。



PSの耳は501の耳とはまったく違うので、画像は割愛。
PSの耳は501の耳とはまったく違うので、画像は割愛。



PSは耳裏片方はシングルステッチ。もう一方はチェーン。
PSは耳裏片方はシングルステッチ。もう一方はチェーン。



PSのバックヨーク上下シングルステッチ。
PSのバックヨーク上下シングルステッチ。



66のバックヨークは上下チェーン。
66のバックヨークは上下チェーン。


XXは上がシングル下がチェーン。
綿糸なので着用しているとホツれる。
XXは上がシングル下がチェーン。
綿糸なので着用しているとホツれる。


PSのウエストボタン裏
PSのウエストボタン裏



PSウエストボタン横ステッチ無し。
PSウエストボタン横ステッチ無し。



66のウエストボタン横は平行ステッチ。
66のウエストボタン横は平行ステッチ。



XXのウエストボタン横はV字ステッチ。
XXのウエストボタン横はV字ステッチ。



PSのコインポケット裏耳無し。
PSのコインポケット裏耳無し。



66はコインポケット裏に耳なし。
66はコインポケット裏に耳なし。



XXのコインポケットは耳あり。
ヴィンテージ501の耳は薄ピンク。
XXのコインポケットは耳あり。
ヴィンテージ501の耳は薄ピンク。


シルエットはまったく違うので比較するまでもありません。PSのボタン裏刻印は無し。
PSの糸はオレンジ色で恐らくコアヤーン糸(化繊)、ボタンは全てアルミなので経年変化は感じられません。生地はオールドリーバイスを生産していたものと同種の力織機を使用しているようです。

強いて結論を書くのなら、apcのジーンズのディティールは60年代の501に近いです。
アメリカ開拓者に愛用されたデニムジーンズを再現したいとのことですが、再現度は低いです。
現代的にアレンジされたデザイナーズのジーンズという印象です。
501より大分シンプルなので、アレンジというよりも、合理化されたと書くほうが適切かもしれません。

終わり。

ブログ アーカイブ

ページビュー

QooQ